シベリア鉄道でロシアを東から西へ



ロシア2日目 シベリア鉄道1日目

ウラジオストク 19時10分発のシベリア鉄道で、ロシアを東から西へ、ウラジオストクからモスクワへの旅が始まります。

私が幼かった昭和の時代には、多くの人がシベリア鉄道による大陸横断に憧れを抱いていました。しかし、その後のソビエトからロシアに時代が変動することで、不安定な政治の印象が広がり、シベリア鉄道が遠い存在になったような気がします。
近年はロシア国内の社会情勢が安定し、ロシアを旅行するには良い時期だと思います。

ウラジオストク駅の待合

インターネットでシベリア鉄道の乗車券を手配すると、eーチケットのプリントアウトで乗車が可能です。ただ、正規の切符は豪華に装飾されており、シベリア鉄道に乗った記念としてチケットブースで交換しておけば良かったなと後悔しています。

ウラジオストク駅には改札が無く、各車両毎に検札を行っています。チケットとパスポートの確認を済ませ、車両に乗り込みます。

席は、2等下段を取りました。2段ベットを向かい合わせとした定員4人のコンパートメントです。自分の座席を見つけると、Tシャツ&ジャージに着替え、荷物を座席下に押し込みます。

シベリア鉄道の各車両には二人のスタッフが駐在しています。コンパートメントで自分の席に座って発車を待っていると、常駐スタッフが乗車券とパスポートの回収にきます。
パスポートは、乗客名簿との照らし合わせが済むと後日返却。乗車券は、降車のタイミングで返却されます。

いよいよ出発です。
ガタンと小さな衝撃と同時に列車が動き出します。高揚とした気持ちと不安な気持ちが同居した中で7日間の列車での旅が始まります。


始発のウラジオストク駅で、ロビン・ウィリアムズ似のロシア人と同じコンパートメントとなりますが、「こんにちは」と日本語で挨拶され驚きます。次の駅で乗車してきたロシア人も同様に日本語で挨拶します。極東に住む二人のロシア人による片言の日本語によって、シベリア鉄道内でのロシア人との生活に対する不安が幾分和らぎました。

ロシア人もシベリア鉄道を利用する日本人に興味があるらしく、英語とジェスチャーを交えながら話しかけてきます。
「シベリア鉄道でどこまで?」
「モスクワ?モスクワまで何故にシベリア鉄道?飛行機があるじゃないか?」
ロシアを横断したい、車窓からの景色を楽しみたいと伝えると、
「婆さんが昔、シベリア鉄道を利用してモスクワまで行ったけど、かなり大変だった」と言います。

車窓から見る景色は真っ暗。
皆でビールを飲みながら、列車の旅にカンパーイ。