観前街とウンコ

観前街


いつだったか、中国の公衆トイレは汚いと評判が悪かった時期がある。習近平国家主席の一声でトイレが整備され、綺麗になったとされている。
蘇州でも、観光地だけでなく生活エリアにも公衆トイレが至る所にあります。しかも、管理人室があり、人が常駐しているのです。男性用トイレと女性用トイレの間に居て、臭くないのだろうか?

公衆トイレ

蘇州最大の歓楽街である観前街を歩いていると、特急の勢いでお腹がギュルっときた。なぜこんな時に。ホテルまで徒歩で30分の距離で、戻れる余裕などありません。

周囲を見まわすも公衆トイレが存在しない。
先程まであれほどあった公衆トイレが必要な時に無いのは、なんとかの法則なんでしょうかね。

飲食店でトイレを借りるか?
中国の言葉を話せないので、ボディランゲージで伝える事になる。だが、それは無理だ。ウンコしたいことをボディランゲージでどうやって表現したらいいのだろう。やったことなど無い。お尻からガチョーンの仕草で通じるのだろうか?辛いものを食べて、穴から火が噴いていると理解されるのだろうか?近くに客が居たらどの様に思うのだろう。想像すると恥ずかしい。なんとしてでもトイレを探さねば。

歩いていると、小さな公園を見つけます。
公園にはトイレが見当たらないのですが、地下鉄の入口のように地下に通じる建物があります。どうやら小さな地下街があるようです。

フロアMapで確認するとトイレが存在するではないか。
ニイハオトイレでないことを祈りながら、トイレに駆け込む。
はたしてトイレは個室となっており、照明が少し暗いものの汚らしい感じはしない。安堵しながら個室の扉を開くと、便器は和式タイプであるが、ペーパーが置かれていない。個室の外にも手洗いにも。手持ちは、財布とスマートフォンだけで、ティッシュペーパーは持っていない。
どうする、他の公衆トイレを探すか?
しかし、肛門括約筋は既に臨界点に達し、プルプル痙攣している状況で、今更歩行するにはリスクがある。
もう漏れそうなのである。

さて、どうしたものか?
紙がない時のウンコは固いのが望ましい。サラッとしているので、そのままパンツを履ける。水様であれば手洗いから水をすくってささっと洗う。問題は柔らかく粘着質である場合だよね。
どうも、今回は試練となりそうだ。

お尻を出したまま熟慮する。
答えが未だに出せない。インド式か?
野外であれば、草での代用という手段があるのだが。
ふと、視線を斜めにズラすと、汚物入れに真っ白なティッシュペーパーが捨てられている。

 ……

新たな選択肢が提示された。